補助教員プログラムについて

神戸日豪協会は、1974年から、主に日本の大学生を、オーストラリアの中学校・高等学校に日本語補助教員として派遣しています。このプログラムの主たる目的には、もちろん現地の学校の日本語授業をお手伝いすることもあるわけですが、それ以上に、このプログラムでの経験を通して、国際的に通用し、活躍できる若者を育てたいと、私たちは考えています。

国際的に通用し、活躍できる人とは、礼儀正しく、誠実で、英語を使って良い人間関係を築いていける人です。英語が話せるだけでは、人からの信頼を得ることはできません。単に海外に行くというだけでなく、責任ある仕事を持ってオーストラリアに行き、現地の人たちと一緒にその仕事を成し遂げれば、きっと皆さんも国際的に立派に通用する人の仲間入りができると思います。

皆さんが、このプログラムに応募され、一生に一度の貴重な体験をされることを願っています。

最新補助教員レポート

チャレンジしませんか

故木村 真治
関西学院大学 法学部・独立大学院言語コミュニケーション文化研究科 助教授
1979年度派遣 日本語補助教員

 「一度は長期で海外に行きたいが・・」と考える人は少なくありません。しかし、多くの人がその夢を断念しなければなりません。夢をあきらめなければならない最も大きな理由は海外で生活する費用があまりにも高額だからです。例えば、アメリカに留学する場合を考えてみましょう。留学費用の大きな部分は、

1)学費
2)生活費
3)飛行機代金、

です。このうちもしあなたが現地の学校で勉強するのでなければ、学費は要らないわけです。さらに、もし仕事をすることで生活費を請求されないのであれば、あなたの海外体験に必要な費用は、主に飛行機代金だけになり大幅に減るはずです。その飛行機代金も一昔前に比べると大変安くなりました。神戸日豪協会が運営している日本語補助教員派遣プログラムでは、学費や生活費を支払うことなく、1年間の海外滞在という貴重な経験を得ることができます。まず、このような書き方をした理由は、もしあなたが「家庭の経済的な事情で、絶対海外には行けない」と諦めているのであれば、「行けるかもしれない」と感じていただくためです。

しかし、私が、日本語補助教員派遣プログラムへの応募をあなたに薦める本当の理由は、このような経済的なことではありません。教えるという責任のある仕事を持って海外に行くことが通常の留学では絶対に体験できないものであり、このようなユニークな経験がきっとあなたの人生を変えるだろうと信じているからです。

ここまで読んで、すでに「安く海外に行けるのならば応募してみようか」と簡単に考えている人もいるかもしれません。しかし、神戸日豪協会の日本語補助教員派遣プログラムがなぜ参加者の経済的な負担を抑えてまで運用されているのか、考えてみてください。あなたをオーストラリアに派遣するために費用がかからないわけではないのです。派遣にかかる費用は神様が払っているわけではありません。実はあなたでない誰かが負担しているわけです。神戸日豪協会はNPO法人であり、すべての活動がボランティアで運営されているのです。私たち神戸日豪協会の会員は、育てがいのある人を育てたい、私たちの活動を理解してくれる人を育てたい、あなたには人の親切があって初めて貴重な体験ができることを知ってもらいたい、そして、オーストラリアや日本で、人の親切に触れ、いつか自分が人から受けた親切を、まわりの人に還元してくれる人になってもらいたいと考えています。私たちの活動を理解してもらえない方は、私たちも興味はありませんから、そのような人はどうぞ自分の費用で海外に行ってください。

日本語補助教員と言いますが、「日本人だから日本語を教えることはできる」と考えるのは早計です。日本語という科目に限らず、人にものを教え人を育てる「教育」という仕事は簡単なことではありません。いろいろ脱線をすることもあるはずです。それでも、たぶん日本語教育の素人である「あなた」を派遣する理由は、そのような脱線を繰り返しながら、生徒や他の先生方との信頼関係を深め、そのプロセスがあなたを育てることになると信じているからです。

実は私も1979年に神戸日豪協会からジーロング・グラマー・スクール・ティンバートップ校に派遣されました。結局このときの経験がきっかけになり、その後9年間オーストラリアで日本語を教え、今では大学院で言語教育を教える仕事をしています。オーストラリアに行かなかったとすれば、私は全く別の人生を歩んでいたに違いありません。

大学で教えながら最近感じていることは、自分のしたいことを見つけられない学生が多いことです。このような学生の多くは「したいことを探している」といいながら、ほとんど自分から能動的に探してはいません。昨日までと同じようにテレビを見て暮らしていては、今日も明日も明後日も、自分のしたいことが見つかることはないでしょう。自分の生活を変える勇気を持たなければいけません。

中には、したいことを見つけることができない環境を恨んで、「この学校、このクラスは面白くない、盛り上がらない」と不満を言う人もいます。このような人の大半は、盛り上がらない本当の理由が「動こうとしていないあなた自身が面白くない人間であるから」ということに気がついていません。

私は、あなたに、自分から行動を起こし、面白い人生を自分の手で切り開いてもらいたいと思っています。この日本語補助教員派遣プログラムが面白そうと思われるのであれば、チャレンジされてみてはどうでしょう。ちょっとの勇気を出して神戸日豪協会に連絡されてみてはどうでしょう。電話をする勇気があなたの人生を変えるかもしれません。

  • 日豪協会公式ブログ